動物愛護x選挙 ベッドでくつろぐ2匹の黒い猫
和歌山市、不妊去勢手術費用のためのクラウドファンディング「2800万円」の件について

【特集】「犬・猫殺処分ゼロ」目指すはずが... 不妊去勢手術費用のために寄付金「2800万円」集まるも 昨年度の手術はわずか“猫8匹”

「目的と手段が入れ替わる」とはこの事である、箱物行政ここに極まり。

割り当てられた予算を前に「この事に、いかにお金を使うべきか」が「この事で、いかにお金を使いきるべきか」に変わってしまう。

無論、動物愛護に限ったことではなく、どんな畑だろうが公共事業の無駄とはそういうものだ。

とは言え、これは割り当て予算ではなく人々からの寄付金なのだ。
よって翌年度予算に影響を及ぼす性質はなく、がんばって使い切る必要など微塵もない筈である。

なぜにそんな所に無駄にがんばってしまったのか?、根っからの役人体質としか言いようがない。


しかし、今回矢面に立たされているであろうこの動物愛護管理センターのセンター長の事。
この方を検索すると、ご本人のものだと思われるSNSを見つけた。

以前より動物愛護行政を担当していたと思われ、少なくとも今回の件より遥か昔から「1匹でも多くの犬や猫たちを幸せにしたい」と願い、職務に励んできた様子はみてとれる。
これはご本人にとっても有益な弁明でもあるので、下部にリンクを載せておく。

あくまでも推測だが、このクラウドファンディングにも、発案段階から関わっていたのかもしれない。
その時点では、金の無駄遣いをしたくてこのアイディアを進めてきた訳でもなかろう。


愛玩動物を対象とした動物愛護行政はまだ産声をあげたばかりである。
少し前までは犬、猫といえば殺処分することしか頭になかった行政が、やっとそれを減らす方向に舵を切ったばかりなのだ。

つまり今は、どの自治体も試行錯誤の段階であろう。
「道なき道」という意味では、菅政権が推し進めようとしているデジタル庁などと五十歩百歩といった所か。

現時点では、ケーススタディが少ない動物愛護行政の現場担当者の苦労や難しさなどは、

打越 綾子(著)「日本の動物政策 - 第1章 愛玩動物」
打越 綾子(編)「人と動物の関係を考える - 第三章 愛玩動物をめぐる課題(遠山潤)」

で、分かりやすく解説されている。

いまだ地域の野良猫たちへの行政の対応は、「こういうケースには、こう対応すれば、こう解決できる」という前例が、圧倒的に不足しているのだ。

このセンター長も試行錯誤している内に、その試行錯誤が仇となり、「結果に対するスピード感」が悠長になってしまったのかもしれない。
私も性格上、何か新しい事に取り組む時はそうなってしまう傾向がある。


もちろん、記事を読むとそれではフォローしきれないほど突っ込みどころが満載な事は否めない。

その2800万円はお上が強制的に徴収した血税とは根本的に違う。
そのお金は、人々の善意と希望が込められた寄付金である事は全身全霊で自覚していただきたい。

あれこれハイスペックな機器のショッピングを楽しむのではなく、地域の動物愛護NPO団体と連携を取り、
その活動を金銭面でもバックアップする事もできた筈だ。
その方が、1匹でも多くの猫を救うためにはよほど効率的かもしれない。

とは言え幸いなのは、その大切な寄付金を「勉強会」だの「視察」だの「懇親」だのの名目で、飲み食いや旅行に使っていない事であろう。(多分)
消えてなくなる事にお金を使っていなかった事は、不幸中の幸いとも言える。

今はほぼ宝のもち腐れ状態である手術台一式なども、今後マンパワーが加わればこの先数えきれないほどの猫を幸せにできる可能性も大いに秘めている。
確かに車も、保護猫・地域猫活動には必須である。
今後はこれらの必要な道具を、地域の猫たちのために大いに役立てていただきたい。


動物愛護家たちはこの和歌山市に限らず、他の自治体の動物愛護行政に関しても、そこはある程度長い目で見てあげてもよかろうかと思う。
担当職員たちは我々動物愛護家にブーブー言われるだけでなく、「近所の野良猫が超絶迷惑なんだけど!」という動物嫌いの市民の対応にも追われている。

何より今回の件で各自治体、及びその動物愛護行政の担当者たちが尻込みしないことを願っている。
「2億かけて動物愛護センターを開設したらこのザマかよ!、だったら動物愛護なんざには最初から静観決め込んでいればよかった」と不貞腐られては元も子もない。

他者の為にと善いことをしようとしてそれが裏目に出た時は、例えそれが己の落ち度であったとしても不貞腐れるのが人の心というものである。

そしてその結果、一番被害を被るのはお外の猫たちだからだ。

ソース元:facebook 2013年12月3日

ソース元:facebook 2013年11月18日

ソース元:facebook 2013年4月18日

ソース元:facebook 2013年3月22日

ソース元:facebook 2012年8月3日

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